[先ほど、もふらいおんの爪が掠めた傷に指を走らせ、縛った布の上に滲んでいた紅を掬い取る。水晶龍が顔をしかめるのは見ない振り。掬った紅で『魔本』の表紙に手早く紋様を書き付ける]……界と界の狭間成す『海』の力、いざ、ここに集いて波を生せ![早口の詠唱に応じて、深いふかい、深海のいろの光が弾ける。それは周囲に波頭のような障壁を織り成し、そして。ぽーん。とか、そんな、軽い感じで、飛んできた力と波頭の一つがクロスカウンターした]