[ゼルギウスが、オトフリートから何を聞いたのかを男は知らない。だが、魔本が放つ魔力の揺らぎは感じ取る事が出来た。そして、それが誰に向かったのか、も]
フワル殿?……待て、違うぞっ!!
[結界からゲートに吸い込まれる>>10オトフリートの気配の中に、彼自身の魔力以外は存在しない。だから、彼は違う。しかも、ふわふわと意思疎通が可能かもしれない唯一の存在なわけで]
何を考えているんだっ!?
[男は、ぎり、と拳を握りしめて、いきなり世界樹の仔の方へと駆け出した。エーリッヒには、さぞかし奇行に見えたに違いない]