─ 三階 ─
[手当てをしないとという思いだけで体が動いたから、それがどれだけ危ない事かという意識は無かった。
瞬き、言いよどむ青年にどうしたのかと問うような視線を向けた程だが]
え。
[無防備だと言われ、そんな自分に驚いた様に一瞬足が止まる。
けれど、すぐにまた足は彼の元へと向かって]
…あなたは。
不利な勝負を、自ら吹っかける人では無いでしょう?
[この屋敷に来て、女主人に『ゲーム』の事を告げられる前。
探検を共にしたあの時間だけの付き合いで、それは信じられたし。
同じ不審を抱き、動いていた相手への親近感は、『ゲーム』が始まった今も変わらず抱いていたから]