……ちっ!
[足払いの一閃はすり抜けられ、舌打ち一つ。
素早く向き直り、態勢を整える所に畳み込むようなラッシュが繰り出される]
だから、面倒だって……!
……っかたねぇな。隠し玉、見せてやるよ……!
[言いながら、手にした針を落とす。
繰り出されるナイフは、まともに受ければ大打撃は必至。
それに対し、翳される右腕は人ならざるモノ──鉤爪と鱗を備えし龍のそれ。
獣の神を求める者が鴉に与えた、異種の身体]
お題は、高くつくからなっ!
[龍鱗に覆われた腕でナイフを受け止めつつ、蹴りを何とか往なすべく、位置取りを変える。
背中には、窓。
勢いを殺しきれねば、飛び出すは必至か]