―宿屋・食堂―
[中に入れば、食堂のカウンターへと近づいてゆき、
その隅に、篭の中に置かれていた皮の箱を置いておいた。
可愛い宿の主の姿を捜したが、程近くに姿は見当たらない
良い匂いがしてくるから、おそらく厨房だろう事は伺えて。
代わりに、もう一人の臨時店員兼幼馴染に]
アル、これをここに置かせてもらうわね。
ギュン爺から、置いておくように言われたの。
中身は……
[と、そこで一度言いよどむ。
だが伝えないわけにも行かずに。]
銀の短剣、よ。
[そうその場に居るものらに伝わるように、
声色も表情も、そのままに告げた。]