―中央エリア・ビル屋上―
男前と言ってもらえるのは嬉しいけど。
ほんとに、苦手なんだよねぇ、口説くの。
[綴る言葉はどこまでも軽口めいて。
白虎の構える様子を伺いつつ、煌めきを乗せた右手をす、と横へ上げる]
……ま、機会があったら、挑戦させてもらうかも?
もっとも、その前に……。
[途切れる言葉。
右手を握り、手首をくるりと返すと、先には一本だった針は三本に増えていた]
……ここでやる事、やらんとならんけど、なっ!
[言葉と共に、右方向に伸ばされていた手が左へと切り返され、横に払うように右へと振られる。
その動きに合わせ、三本の針が紅雨へ向けて、飛んだ]