―ネリーの部屋―
あの時もっと積極的に、わたくしのところに来て欲しいと願っておけば良かったかしら。
いいえ。それでもきっと今回は一緒に来ていたわね。
[過去は悔やんでも変わらない。それは10年かけて思い知った。
ネリーの顔を綺麗に拭いて、薄く明るい化粧を施してゆく。首元の傷をチョーカーで隠してしまえば、一見寝ているだけのようにも見えた。触れれば冷たく見せ掛けだけでしかないけれど]
おやすみなさい。ネリー。
[そっと顔の上にも布を掛け直して静かに祈りを捧げた。
部屋から出ればハーヴェイ>>9ともすれ違っただろうか。ソフィーが熱を出していると聞いて、安静が一番だろうと教わった部屋に顔は出さなかった]