―中央エリア外れ―[ゆっくりと移動して、ビル街を抜けた]少し待機を。誰も来ないようなら改めて移動で。[この先はもう家の無い場所、門の影に背を預けて言う。再び手首を掴んでから一息ついた。総帥の気は近づく前に心構えして流したはずなのに、どうにも落ち着かない気分だった]『―――――!』[少し先からまばらに立っている木々を揺らす風の音が、幼い泣き声のように聞こえる。必死になって誰かを呼んでいるような。埒もないことを、と*眉が寄った*]