─ 三階 ─
[ベルナルトに近付くと、その傍らに膝をついて。
自分が着ているシャツの裾を捲り、腰から取ったナイフでその裾を切り裂く。
ゆとりのあるシャツは、裾を多少切ってもまだ腰を隠す程度には長さを残していて]
ひとまずこれで止血します。
手当ては、落ち着ける場所でした方が良いでしょうし。
[自分が信用できぬならメイドに、と続けようとして。
この屋敷のメイドに対する感情がそれを妨げた。
青年ならばコレ位自分で何とか出来るかもしれないと、結局続く言葉はなくして。
オリガが此処まで上がってきたことに気付くのは自分とベルナルト、どちらが早かっただろうか]