─ 屋敷の裏 ─[逸れた意識が戻ったのはエーファが懐へと飛び込んできた時>>19。掻い潜られた左腕は当然空を切り、エーファの動きにより流れた後ろ髪を触れるに留まる。身体に届くのは大きくない衝撃。けれどそれは確実にイヴァンの胸へと届いていた]──── っ、 ぁ、[痛みよりも大きく跳ねる鼓動を強く感じる。傷口が熱く感じられ、傷つけられた心臓が徐々に鼓動を弱めていくのが分かった。足から力が抜け、右手で胸を押さえ込みながら膝をつく]