──……間に合えっ!
[二つの水球が自分へとぶつかる直前、回転するようにしながら剣を振るった。
剣先から放たれるのは圧縮された剣風。
鋭さを伴うそれが水球へ到達すると、途端に大きな爆発が起きる。
直撃は免れても、その余波は容赦なく男へと襲いかかった]
っつ〜……。
直撃じゃないにしても、なんつー威力だ。
面白くなって来た。
[身体に傷を受けても、その表情には笑みが浮かぶ。
戦うことを愉しむ表情、それもまた男に流れる血が為せる技]
向こうもギリギリだろうから、さっさと決めるとしようかね。
流石に何発も食らったら、俺であっても気絶する。
[そう言って握る、剣の柄。
今までより少し長めに集中をする]