シャロ。[怒りに満ち行き場のない力を壁にぶつけた彼女を、後ろから抱き寄せた。死体がない事、窓が開いていた事からも、ユージーンが外へ逃げ出た事はすぐに解った。]ジーンは逃げたか…まぁいい。おそらく生きてはいないだろうさ。…よく出来たね、偉い子だ。あの日あの時、連れて来てよかった。お前と出会えて本当に良かった。ああ……愛しているよ、俺の花嫁。[口元には、歪んだ三日月が*浮かんでいた。*]