─ 午前/診療所 ─
[診療所は今日もたまに患者が来る以外は静かなものだ。
薬の在庫チェックやカルテの整理などがあるから暇ではないが、忙しくも無い時間を過ごす。
そんな中思い返すのは、先日の一日のこと。
頑丈だからちょっとくらいなら平気だという彼女>>8に、「少しでも怪我は怪我だ」と言った後運ばれてきた食事を平らげてすぐにあの場を離れたが彼女はあれから両親の所に顔を出しただろうか。
父の跡を継いでからは診療所に寝泊りする様になった男も自宅には随分顔を出していないが]
どちらが子供か解らんしな。
[息子よりも、彼女が顔を見せる方が余程喜ぶ両親の顔を思い浮かべる。
単純に思ったままを口にしながら、その後寄った屋敷の住人に意識を移し]