[広間を出ていく者>>1:171がいれば見送り、入ってくる者が入れば目礼し、
ユリアンはその場に残っていた。
傍目には、老犬のために暖かな暖炉の炎を守っているように見えただろうか。
誰かに話しかけられれば、掠れ気味の声で応じただろう。
所在を確認する問いがあれば、客室でずっと眠っていたと答えるだろう。
夢>>1:123の話もするかもしれない。
そして、思い出しながら付け加えるだろう。]
さっきここに来ていた、行き倒れの旅人だという……、
あのひとも、夢で見たような気がする。
変だな、初めて会ったのに……。
こう、髪が広がっていてね。
青い雪の上に……。
[変だなと繰り返しながら、視線はどこか遠くを見ていたか。]**