[夢を見た。まだ自由に姿を変えることのできなかった幼い頃の夢]『おめでとう、リィ』[揺れていた三つの蝋燭。けれどそれを消すよりも前に。くらくらするような空気に気分が悪くなってゆく]『逃げろ!』[紅色に染まった父の姿。その向こうには年若い長身痩躯の男。滲んでゆく二つの影に背を向け、窓から飛び出して――]