……ユリさん。[そういえば、と。思い返すのは、祖父の部屋での事。呆然とした自分に色々と言葉をかけてくれたっけ、と]ん……あり、がと。[抱えている感情は、自分でも上手く表せないものだけれど。精一杯、という感じで綴られるそれは、ほんの少しだけ、張りつめていたものを溶かしてくれたから。そっと告げた短い言葉は、届いたか。ともあれ、少年は小さく息を吐いて黒猫を抱き締める]