― 台所 ―
[台所は幸いといっていいのか豊かだった。食材が運ばれたのがつい最近だったおかげでしばらく困る事もなさそうに思う。
湯を沸かし、3日はもちそうな野菜たっぷりのスープを大量に作った。作りながらふとレシピを教えてくれた料理長の顔を思い出すと笑ってしまった。
それから肉を切って焼いておいた。これ食べれた奴が人狼でいいかな、などとは半ば冗談だったが。パンとチーズも出しておく。残念ながらセロリ料理は思いつかなかったので断念した。]
あ。
[途中でふと手を止めて。]
しまったー。毒はないや。
[あったら楽だったのにね、とは心底残念そうに呟いた。]