[生きる事を望む声は聞こえるけれど。死して贖える罪はないとわかってもいるけれど](……それ、でも)[それでも、この呪いを残しておくのはできないから。それは、他者に与えられた運命への、ささやかな抵抗。茶猫を撫でる手に、ほんの少し、力がこもって。ひら、はらり。朱の茨が散るのと同時、天鵞絨は静かに閉じた。**]