[アーベルが呼び寄せれば蒼鷹は戻っていっただろう。やはり心配そうにこちらを見る仕草には、大丈夫と微笑んだ。ゲルダから頷きを返されれば覚悟は決まるが、やはりまだ拒絶されるかもしれない恐怖はあり。無意識に彼女の手を握り、す、と息を吸った。]あの、ね。私、ベル兄達に、話さなきゃいけない、ことが。[そう言いかけたところにイレーネの、銀の短剣という声が聞こえた。]