……げっ……!?[ふ、と掠めた嫌な予感は的中する。無理な体勢のまま、掛けられる力。逆らう暇も、空間を転移して逃げる暇もなく、そのままガラスを突き破って押し出された]……いよっと![外に出た、と感じた瞬間、開くのは翼。擬態を解いた事で、普段は隠している右の翼も姿を見せる。漆黒の皮膜翼──龍の翼。アンバランスな漆黒の両翼で身体を支えつつ、やや当てずっぽうな蹴りを繰り出しながら、距離を開けた。このフィールドであれば、距離を開けた方が有利、と知るが故に]