─ 広間 ─[喉元に手を触れる。朱の茨の帯びる熱は徐々に変質してゆくよう。それに伴い、息苦しさは薄れ。数回の深呼吸で、平静は取り戻せた]ああ……大丈夫……。……ごめん。[小さく付け加えたのは、泣きそうな様子>>13が見えたから。けれど、それ以上、言葉を継ぐのはできなかった。何を言えばいいかわからない、というのもあるが。──不意に響いた音と臭い>>12に、意識が引き寄せられたから、というのも、大きかった]