─北エリア・林─
[精度に劣る射撃だったが、それなりに被弾させることは出来たようで。ライヒアルトから投げつけられた針は、射撃を止めたガトリングガンの銃身を翳して防ぐ。キィン、と金属がかち合うような音がした]
威力が高い分、精度に欠けますけれどね。
[ライヒアルトの声に返しながら、ガトリングガンを持ち直す。銃を変え、射撃準備に入ろうとした───その時。ふっと上空に影が差すのを感じた。僅か振り仰げば、背後より倒れ来る一本の木]
離れて居ても力は及びますのね!
[地面へも視線を流せば、持ち上がった跡が残っている。ロミが繰り出したものであるのは明らかだった。咄嗟にガトリングガンを持ち上げ、倒れ来る木に翳し。受け流すようにして横へとステップを踏んだ。左足にも力がかかり、痛みが走る]
くっ……。
[左足に突き刺さったままだった針を払う。紅が流れ出すが、構ってはいられない]