―回想・広間―
[広間に戻っての言葉に反応したハインリヒに、小さく笑った]
先生がもしお辞めになってしまったら、悲しむ生徒は多いと思いますよ。
僕も講義が受けられなくなるのは困りますし。
でも、先生がたくさん研究出来るようになるのは、先生にとっては良い事なんでしょうね。
[ヘルムートが入ってきた瞬間は、サインだとか考えていたことが全部吹っ飛んだらしい。
あわあわと舞い上がり、真っ赤な頬をして、先の怪我のお礼を述べた。
テンションが上がりに上がったようで、食事を終えたしお話を終えた少年は、逃げるように階を上がった。
部屋の中で、持って帰ってきてしまった楽譜とノートを見て、がっくり肩を落とすのだった]