― 朝・第二階層通路 ―[それはまだ暁闇と言って良い時刻。居住区を出て歩いていった先には一体の犬が倒れていた。周囲に争った様子はなく、武器も使われること無く沈黙させられたのだと分かる]どうやったんだか。[生体部品である脳は千切られ食われていて。記録が無事だったのは視覚センサーの一時メモリだけだった。そこに残されていたのはリディアの姿]ほう。これはまた見事な。[どうみてもリディアとしか見えない。けれどリディアは死んでいる。つまりは、擬態ということになる]