― 4日目早朝/黒珊瑚亭 ―[自室の机に俯せるようにして、浅い眠りに陥っていたらしい。窓外の陽の色は、朝の仄かな白を帯びていて、傍らには開いたままの研究書>>2:136。頁を閉じようと手を伸ばすも、指一本動かすのが酷く億劫だった]…おはよう、ユーディット。………そうか。[どうせこれ以上は眠れるまいと、身支度を整えて階下に降りれば、いつも早起きのユーディットの姿は、既にあっただろうか。アーベルはまだ部屋に引き籠ったきりと聞けば、小さく頷いて]