[しばらく時間が夜明け前ころ、はずした窓をそのまま外に飛び出す影は獣の姿をしたもの。
黒珊瑚亭を後にする姿は早朝の見回りをしていた自衛団員に見つかってしまい、
すばやく、何かよびかける姿を引き離して駆け抜けていく。
まいたところでいつものようにちゃんと手と口を洗い痕跡を消し、何事もなかったようにベッドへと戻った。
その日は朝早く人狼が目撃されたということで、自衛団員達が黒珊瑚亭へとやってきて、
ヘルムートの死体が発見されることになるだろう。
ベッドの上に眠るように横たわる姿には、穴の空いた血塗れた毛布をかぶせられている。
毛布をあけると、他の襲撃者と同じく喉を引きちぎられた痕、
そして胸部から腹部にかけての肉とそこにあるべきものはごっそりと食べられた形跡が*見つかった*]