― 翌朝 ―[眼が冴えるのは朝日の差す時間。身体を起こし見遣る窓の向こうは吹き散らされた雲の隙間から覗く青。まだ時折強い風が吹くけれど、橋は渡れない程度ではないだろう]……風は収まった、か。もう起きている時間だろうかな。[できるだけ他の人に話は聞かれたくない。そうでなければこの館は一気に混乱に陥るだろう。軽い身支度を急ぎ整えて、部屋を出て][急ぎ歩む廊下、響くのはひとつぶんの靴音のみ。目指すのはこの館の主の――][けれど、全ては手遅れだったと知る]