─東殿・回廊─
[倒れるエーリッヒを床に座るようにして支えた状態で、回廊奥から現れるノーラとアーベルの姿を見つける。何事か口にしようとして、それはナターリエの叫びに掻き消された]
ナタ───……いかん!
[名を呼ぼうとして、危険を察知した。ナターリエの身体から飛び出した水が目の前を横切り、傍の壁に小さな穴を開ける。咄嗟に砂の翼を広げ、壁を作り。エーリッヒを背負うと低空飛行状態のまま近くから離れた]
一体何が…。
そう言えば、ダーヴィッドがどうと、エーリッヒが言って居ったかの。
……よもや、あやつまで……!?
[そうであるとするならば、このナターリエの暴走っぷりも頷ける。剣の影響で増大した力に、更に対の一つが欠けたのだ。抑えきれなくなったのだろう]