……心します。[物騒な一言に、零れ落ちたのはこんな言葉だったとか。それでも、傷つけたくないのは本意。それが、甘い考えだと言われても。ともあれ、そうしてしばらく風を手繰る事に集中して。やがて、自衛団がやって来たなら、風の束縛を解き、後はそちらに任せる]…………。[連行された黒衣が礼拝堂から消えた後、ふ、と下に視線を落とす。蒼が捉えたのは、床に滴り落ちた紅の跡]大丈夫、かな……。[口をついたのは、案ずるような響きの呟き]