― 翌朝/主の寝室 ―
[真っ先に飛び込んできたのは、赤。
元より赤い髪の持ち主ではあったけれど、それより更に鮮烈な色]
[次いで認識されたのは、錆びついたような匂い。
鼻の奥を突き、どろりと纏わりつくように]
……アー、ヴァイ、ン……?
[最後に焼き付いたのは、その傷。
深く切り裂かれた肢体は力無く、部屋の中に横たわっていた]
アーヴァインっ!!
[駆け寄る靴先が赤を跳ね上げる。
伸ばした手が捕えた顔は、酷く沈んだ色合い]
[幾ら声を荒げてももうどうにもならないのだと。
――気付いて居ても、止められなかった**]