─ 『蝕』翌日/診療所 ─構わん。入って来い。[言いながら視線を扉に立つポラリスへと向けると、その手にある花に目がいった。それが泉に咲いていた睡蓮だと気付くのと同時、彼女から切り出された話に面食らう。つい先ほどソーヤ達と交わした話題のお陰で彼女が何を前提に話しているのかは解ったが、迎える順序が逆だったならより困惑したことだろう。どの道、感情の起伏の薄い男がそれを表面に出すことは無く]ポラリス。まず、呼吸を整えろ。その間に茶を淹れるから、飲んでからもう一度話せ。