― 前日・食堂 ―
[お客に些細な悪戯など日常らしいのは、ラッセルの弁からも伺えるだろうか。>>1:98 耳に届けば「心外ですよ」とそっと通り際に囁きもしたが。
なおラッセルには現在の様付けもそうだが、以前忘れ物だか伝言だかを、届ける際にスッと気配を殺して、彼が吊り橋にさしかかる所を見計らって、後ろからとんと背を押した事がある。無論、落ちないよう橋の方へと位置と力の調整はしておいたつもり、だが。その時も今と同じような笑みを浮かべていた事だろう。
>>1:95給仕の最中にヒューバートに声をかけられたら、お客への非礼にならぬよう、こっそり耳元に手を当てるようにして囁いた。普段なら届かない場所へも、相手が座っているなら届いただろう。]
食べられる物なだけ良心的ですよ。
[そう言い明るい、そっと離れると笑みを向ける。]
(食べられるだけマシだもの。ねぇ神様?)
[とは笑顔の裏の胸中だが、口にも顔にも毛ほども出さずにいた。]