―翌日・集会場入口―
[兄の姿を探していると、風が何かの臭いを運んできた。
昨夜も嗅いだのと同じ鉄錆の臭いを]
…ラッシュ!?
[ぐったりと伏せている身体は全体に黒っぽい色をしていた。
思わず止まってしまった足を慌てて前に出す。
近寄れば深い傷と共に焦げたような痕も見えてくる。
そしてピクリとも動かない]
一発だけじゃない。
完全に動かなくなるまで撃ち込まれたのか。
それに、この火傷はどうにも不自然な付き方だよな。
…殺られる前にってか。
だからって、こんな。ここまで……!
[強く唇を噛み締めた]