─ 厨房 ─
[身体揺らがせる程の苦痛は、この場に及んでも尚覚悟が決まらない女への苛み。
言うべきだ、何故言わないと胸の奥から責め立てる声。
>>23目の前から差し出された手に支えられ、見上げるその深紫は己の言葉を聞いて、瞼に微か、隠れた]
…言っても始まらないけれど。
言わなければ、形にできない物もあるでしょう。
[女の懺悔に付き合わせて、申し訳ない思いはあるが。
こうして明確にしなければ、それこそ囚われたままになってしまう。
己の視たものを受け止めきれず、自衛団長に判断を委ねようとして。
団長の─朱花の死を目の当たりにしたのに、それでも尚目を背け続けてきた、女の身勝手に]