―北エリア・林―
[直撃は回避されたものの、ライヒアルトの攻撃も相まって、オクタヴィアに多少のダメージは与えられたか。
しかし、未だ己の不利は変わらず。
脇腹から滲む血を止める暇もなかった]
[ライフルを構える動作に回避を意識するも、弾丸は二人から大きくそれて着弾する。
その布石は少女には理解出来なかったし、思考する暇すら与えられなかった。
こちらへ向けて迫る爆音]
って……それはオラの専売特許だっ!
[爆発と同時、少女の体は宙を舞う。
しかしそれは爆風に飛ばされたのではない、足元の土を『力』で持ち上げ自ら『跳んだ』のだ。
槌頭を先に地面へつけ、柄の倒れる動きとともに着地する。
再び槌を持ち上げ構え直す動作で、脇腹の染みが一層大きくなったのを感じた]