[黒猫のモリオンに小さく手を振っていた>>0:166オトフリートは、ユリアンの顔つきに気づいたらしく、
「何か気になることでもあるのかい?」>>0:166
と問いかけてきた。]
ああ、いえ……。
[気になることはある。
けれども、初対面に近い相手に伝えてどうするとも思え、ユリアンは曖昧に微笑んで俯く。]
氷の堤を見に来る町のひとも多いですからね……。
[「ご家族は元気なのかな?」>>0:166
続けられた問いには頷いて。]
兄も母も町へ移りましたが、おかげさまで元気ですよ。
[その後、会話が途切れれば、カルメンに声をかける彼>>0:167を見送るだろう。]**