[こつり] [こつり]
[自分の足音が部屋に響く。
一歩進むごとに影は形をはっきりとさせて行き。
やがて投げ出された様な手足が目に映る。
更に近付けばその影はスカートを穿いていることに気付く。
薄暗いために色までははっきりとしない。
壁際に座り込む影の足元まで近付くと、輪郭ははっきりと目に映った]
…綾姉?
何、してるの?
ねぇ、綾姉ってば……。
[それは紛れもなく綾野だった。
しかし声に反応は無く、俯くような形で座り込んだまま。
何やら妙に嗅ぎ慣れた匂いもする。
それは嫌な予感を掻き立てるもの。
けれど、眠っているだけかも知れないと思い、綾野の肩に手をかけて揺すってみた]