[アリョールの怪我のこと。フィグネリアが呟いたこと。 ニキータの死を受けたイヴァンの面持ち。 そのニキータの遺体の処遇について。 何れに対してもベルナルトが動くことが無かったのは、 タチアナ>>19の蒼褪めた顔を、すぐ傍で目の当たりにしたため。] タチアナ。 意味が無く、なん、て、 ………[ちがうのに、と呟く彼女に。それでも皮肉っぽく笑う彼女に。 言い掛けた言葉は、結局最後まで形にならず――。 その代りに、ショール越しに触れるように、その肩に手を伸ばした。]