[そんな呟きを落として、踵を返し。
いつも通り森から出て、いつも通りの帰途につく。
そんないつもの当たり前、が、不安を感じる人たちにどう見えるか、などは考える事もなく]
あー……そういや、アルカ戻ってきてるんだっけ。
っても、こんなんじゃ、話に聞きに行く気にもなんないなぁ。
[同い年の定期便請負人が帰ってくると、街の話を聞きに行くのはいつもの事だが。
さすがに、こんな状況ではそういう気にも慣れなくて。
真っ直ぐ帰った家で、出迎えた祖母に何もなかったか、とか、奥に行ったのか、とか質問攻めにされたけれど]
ん、別になんにも?
奥にも行ってないよー、クレーがなんか、落ち着きないし。
[答える様子は、いつもと変わらぬものだった。*]