[ゲルダを見た途端、彼女の傍にひかりの欠片の幻影を見る。
ナターリエにしか見えないそれは、強く輝き、ゲルダの傍に濃い影を映し出した。
そこにあるのは、獣の姿の影。
ゲルダの手もまた、鋭い鉤爪へと変化>>21していた]
───……主の威光は届かず。
見出せぬは、私の不徳とするところ。
ゲルダさん、貴女の生にひかりあることを、祈ります ───
[逃げられない。
それを悟り、紡ぎ出すは己が贖罪と、ひととしてのゲルダへの祈り。
アーベルのように、二度も巻き込まれなければ良い。
最期に願うのは、これ以上苛まれずにゲルダがひととして生きること]