(やつの右腕に刃は通らない…だが、胴は生身だった)[しかし胴体の急所を攻めるには、再び危険な間合いに踏み込まねばならない。しかも、この空中で][投擲したナイフはその布石][防がれることは分かっていた。牽制で、わずかでも空中で止まってくれれば良いと][投げると同時に、右手の、自身を支えるワイヤーを切り離している][その手でもう片方のナイフを抜きながら、ビルの壁面を蹴って勢いをつけ、竜とも鴉とも人ともつかぬ異形へ向かい、真っ向から飛び込んでいく]