―4日目・黒珊瑚亭―……そういえば…。少しおかしいような…。……ロミ、カヤ。君たちのうちどちらか、シスターに、アーベルが……いや、アーベルのことを、伝えたかい?[“襲われた”と云い掛けて、言葉を濁す。二人は、返事をしてくれただろうか。しばし考え込むような眼差しになり。足元の白猫が、にゃあぅ…、と哀し気に啼いたのに、はっとした様子で其方を見遣った]