[揺らした綾野の身体が重力のままに床に倒れ込んだ。力無く横たわるその姿に身体が強張る]あや、ねぇ?[再びの呼びかけにも反応は無い。壁に手を付き綾野を覗き込もうとして、異変に気付く。手にべったりと何かが付着している。壁についた手と、綾野の肩を揺すった手の両方にそれは付いていた]あ、ああ、いやぁ、うそ、でしょ…?[色は分からない、けれど匂いでそれと判る。───血だった]