─ 広間→ ─
[鼓動は早いまま、治まる様子を見せない。
荒く、肩で息をして、垂れ下がり震える右腕を左手で押さえた。
火掻き棒は既に手から離れ、床に深々と突き刺さっている]
── っは、ァ………ん、く。
[全身が、どんな運動をした時よりもだるく、重い。
心身共に極限状態であった証拠だった。
口に広がる鉄錆、不快感を煽るもの。
そんな苦い味が混じった唾液でも、渇いた喉を潤そうと本能的に喉奥へと押し込まれていく。
grungeへと近付くalbatross>>26を横目に、足はその場を離れ、広間の外へと出ようとしていた]