― 二階/オードリーの客室 ―
[本当に人狼か?と言う呟きに、改めて遺体を検分する。
傷は一つ。胸元に咲いた、元は真紅だったはずの、血色の花]
………なんか、変な気がしますね。
[ネリーはその場に残っているだろうか?それとも立ち去っただろうか?
いずれにせよ、落ちるのは独り言のような声]
昨夜はずっと部屋にいました。
その間、特に異変は無かった、筈……
もし、犯人がこの方を人狼として告発する気だったなら、もっと騒ぎになってもいいはずです。
それこそ、こんな個室ではなく、人の居る所で……
それに、一突きで確実に致命傷を与えている。
抵抗の隙も無く……始めから狙っていなければ、他に傷があってもおかしくないのに。