― 翌朝/ラッセルの客室 ―
[部屋の扉が開いていた。嫌な既視感。
覗き込めば、既に慣れてしまった臭いとネリーの姿>>17]
まさか、そんな……
[床に転がる姿、残る傷はアーヴァインの傷と同じもので。
声が聞こえたか、ネリーがこちらを招いて、遺骸の側に歩み寄って]
まだ、人狼がいると言うことですか……それとも……
[そんなはずはない、と思う。ハーヴェイが人狼ではない、などと。
沈みかけた思考は、いつもどおりのネリーの様子に引き上げられた]
ああ、このままにはして置けませんね。
[そう言うと、寝台に乗せるなら任せる、と返される。
続いた言葉に思わず目を丸くして、そうして、笑う。
もしかしたら、彼女こそがそうなのかもしれないのに、それは、今は頭に浮かばなかった]