─北エリア・林─
……て、さすがにこれは……!
[ロミの言葉に従い、倒れ込む樹。どうするか、との思考は短く。
一本に集中して、それを右腕──龍の腕で、受ける。
龍鱗を備えた腕は樹を押し止めるものの、衝撃と、それが伴う痛みに肩が悲鳴を上げるような心地がした]
……おりゃっ!
[その痛みを堪えつつ、掛け声と共に力を込め、止めた樹を文字通り叩き折る事で強引に空間を空け、上へ。
叩き折ったそれがどこに落ちるか、を確かめる間もなく、オクタヴィアの砲撃が樹の一本を破壊した。
その余波を避けるべく、上へと抜けて]
……いやはや、ホント、女は怖いねぇ。
[ぼやくように言いながら、右腕を振る。
龍の鉤爪が消え、代わりに、漆黒の針がその手に現れた]
……ナーデルレーゲン。一回くらいはいけるかね。