[彼女をゆるりと見上げる。長い前髪をよけて、目を見て]
俺は人間だよ。
ユーリーみたいに傍にいれなくても、クレメンス先生みたいに、信頼を得られなくてもいい。
お前さんを守りたい。一緒に生きたい。
[虚勢を張ることもできずに、今まで留めていた何かが、口にのぼる。
迷惑になる、身分がちがう、そもそも年齢も性別もアウトだろう。――変になってから、数年たって。ようやくことばにできた]
……ごめ、迷惑かもしれねーと思ったけれど。
いつ言えなくなるかもわからないから。
[その頬へと、手を伸ばした**]