―中央エリア・ビル屋上―
[鴉に避けられた虎は、鴉のいた場所に着地した。
すぐさま飛び掛かろうと身を翻すところに落ちて来る一撃]
避けぇ、白雪!
[声を上げた娘は盾代わりの傘を閉じ、両手を柄に添える。
その下から現れる刀身に煌めきはなく、それが決して『新品』ではないことを物語る。
刀は右手に、閉じた傘は左手に握り締めたまま、鴉に接近]
たまにはええんとちゃいます、こういうのも。
[狙われた首筋を掠めながらも、後ろに跳びすさる虎は辛うじて攻撃を避ける。
それを視界に収めつつ、娘は鴉の片翼目掛けて刀を振るう]