な――っ[ばしゃりと水しぶきが上がる。 つぶった目を開ければ、魔族の腕を残して再び水中に戻っていく赤いのの姿。 自分の腕には見向きもせず、慌てて湖に踏み込む。 酷く重たい動きでも、沈む前には動かなくなった体に手が届いた] おい、しっかりしろ。 ……無茶しすぎだ馬鹿![赤い体を岸に引きずり上げると頬を叩く。 返事がなければ意識はあるのかと口元に耳を寄せた*]